脳神経外科医の生活 A daily life of the neurosurgeon

東海地方在住の脳神経外科医のブログです。I am a neurosurgeon and lives in Tokai region.

勤務医と給料について

またまた当直中でヒマなので、勝手に語りたいと思います。

 

今回は勤務医の給料についてです。

一般的に医者の給料は高いと言われています。

確かに高いと思うことは多々あります。

 

研修医の給料が、だいたい500-700万程度です。

それから年次毎に上がっていって、地方病院の部長クラスとなると1500万ぐらいがだいたいの相場でしょうか。ただ、当然ですが、病院によって給料なんて当然違いますし、科によってもそれぞれです。それでも30代で1000万を超える方は勤務医でも多いと思います。

 

それでは、本当に医者の給料はいいんでしょうか。

試しに自分の事例で時給換算をしてみました。

 

脳神経外科は緊急患者をメインにみる科です。時間外での勤務が多いのです。

以前、地方の中核病院に勤めていた時は、月30日中、10日は病院に泊まっていました。

忙しい月は20日以上病院に寝泊まりして、当然下着がないので病院の売店で買ったりとか・・・。正確には記録していませんが、時間外勤務は100時間は普通に超えていたと思います(多分200時間も)。

しかし、時間外の給料は60時間までしか払われませんでした。それ以上はサービス残業です。貰える時間外の給料も微々たるものです。

 

月の労働時間は40時間/週として、時間外150時間/月とすると。

貰える給料が、額面でだいたい70-80万ぐらい。時給換算すると2200-2500円/時間程度となります。

他の職種の方の時給を調べてみると2000-2500円の職種は、看護師さん・製造業の方・郵便局などの方にあたるみたいですね(ネットで調べたのが正しければ)。これを高いか低いか判断するのは、個人的な要因が大きいと思います。

少なくとも自分にとっては好きな仕事をして、並かやや並以上の生活を送れていたので満足でした。

 

ここで、時間外勤務が少ない科ではどうでしょうか。途端に時給が上がります。多分4000-5000円/時間ぐらいになるんじゃないかなと。

さらに科や病院を選ばなければさらに給料は上がります。開業医さんの元で働いたり、美容外科になると2000-3000万は簡単にいくみたいです(そういった方が医者の平均年収を上げているんだと思います)。

 

つまり、忙しい地方の中核病院で働く医者は少ない給料で、自分の寿命を削って働いている一方で、楽な病院でゆっくり勤務している医者はそれ以上の給料を貰っている訳です。後者の医者が悪いと言っている訳ではありません。そういったところに勤務出来るためにはやはりそれなりの経験が必要と思いますし。

ただ、制度的な問題があると思います。市中病院で命を削りながら、急患を診療している医師の方々が報われればと思います。

 

結論としてですが、やはり医者の給料は普通の方と比べると多い方だと思います(たとえ勤務医でも)。ただ、医者の間でも給料格差が著明にあります。さらに問題なのは、楽な仕事、責任のない仕事ほどなぜか高収入になっているということだと思います。

今後そういったところが改善されていけばと思います。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。