脳神経外科医の生活 A daily life of the neurosurgeon

東海地方在住の脳神経外科医のブログです。I am a neurosurgeon and lives in Tokai region.

脳外科は忙しい?

よく、脳外科医ですと言うと「忙しいんでしょ?」と言われることが多いです。

言われると大抵、「まぁ・・・」と言ってお茶を濁すことが多いです。

 

どうも一般的に脳外科医は忙しいという印象が強いようです。

確かに自分も学生時代はそう思っていました。

でも、脳外科医10年ぐらいやってきて言えることですが、特別忙しい科ではないと思います。今回は脳外科医の一週間についてつらつらと書いてみたいと思います。

 

脳外科医がいる病院は、救急の二次〜三次病院であることがほとんどです。

(二次〜三次病院は比較的重症患者を受け入れる病院です。)

常勤医として2-5人勤務が多いと思います。

 

まず、日常業務の一つとして病棟管理です。

入院患者さんの状態をチェックして、薬を処方したり、点滴を調整したり、傷口の処置をしたりします。入院患者さんの状態や人数にもよりますが2-3時間で終わります。

 

次に外来です。

自分はこれが一番嫌いなんですが、1週間に1-2日で外来業務があります。

外来で、定期的な検査を行ったり、薬の調整をしたりして患者さんを定期的に診察します。状態が安定後は基本的に近所の開業医さんにフォローをお願いすることが多いです(そうしなければ患者さんが増える一方となるため。)。

脳外科の外来はそれ程多くないので、昼過ぎぐらいで終わることが多いです。

 

もう一つは手術です。

手術は予定手術と緊急手術があります。

予定手術は、手術の曜日が決まっており、大抵、週1-2日で行うことが多いです。

緊急手術はいつ来るか分かりません。突然患者さんが運ばれてきて、手術となるため誰も予想は出来ません。

予定手術と緊急手術の割合は1:2程度で、緊急手術の方が多いのが脳外科の特徴です。

かかる時間も手術によって違いますが、基本的には3-4時間で終わることが多いです。

 

具体的にまとめてみますと、

月曜日:手術(朝から昼過ぎぐらいまで)、術後病棟業務

火曜日:病棟業務のみ

水曜日:外来日(昼過ぎぐらいまで)、その後病棟業務

木曜日:手術、病棟業務

金曜日:病棟業務のみ

土・日曜日:お休み

 

一般的なスケジュールです。

どうでしょうか。全然忙しくなさそうですね。週2日は午前中で業務が終わってしまいます。外来日もせいぜい昼の3時ぐらいには終わります。一般的な内科のDrと比べても患者数は少なく、外来患者の人数も少ないため、他科と比較してもそれほど忙しくないと思います。

 

緊急手術が多いため、忙しい印象があるのだと思います。

上記の予定の間に、緊急手術が入ります。週2-4回程度緊急手術が入ります。緊急手術が他科と比べて多いため、どうも忙しそうという印象があるみたいですね。

しかし、実際には全然「ヒマ」です(^^ゞ

よっぽど内科の先生の方が忙しいと思います。

 

まれに緊急手術が重なって忙しくなるときはありますが、そんなのは1-2日ぐらいしか続きません。その後はまたヒマな通常勤務です。呼び出されることが他科と比べて多いとは思いますが(緊急患者の割合が多いため)、日常的にはヒマな科なんです。

 

世間一般の印象と、実際の仕事量はちょっと乖離があるみたいですね。

以上、脳外科は実は忙しくないよというお話でした。